動物にまつわる文様~縁起の良い吉祥文様とは
日本には古来より「縁起の良い動物」と言われる動物が存在しており、この考えは日常生活に溶け込んでいます。定番の和柄デザインやスタンダードな和柄デザインがお好きな方、初心者の方にも熟練者の方にもオススメ。
「鶴」は長寿を象徴するありがたい存在
豊かな生命力と長寿を象徴する縁起の良い鳥「鶴」は、幸せを祝うシーンに最適の模様です。松や亀、瑞雲との組み合わせが多く見られ、意匠としても「折り鶴」「千羽鶴」「飛鶴」「雲鶴」など様々なものがあります。
長寿を祈ったり祝ったりするシーンにふさわしい文様とされてきました。一度つがいになると一生添い遂げるという鶴の性質から夫婦円満の象徴にもなっており、婚礼の場にも良く合う図柄です。
「生命力」「長寿」は鯉(コイ)の生命力から由来
鯉(コイ)のモチーフは「生命力」「長寿」を象徴することもあります。これらの意味は、コイの生命力の強さから由来しています。実は、コイの寿命はとても長いと言われています。なんと平均して20年以上、個体によっては70年以上も生き続けることがあるそうです。また、他の魚に比べると、環境に対する耐性も強く、生き抜く力に優れています。「鹿」は秋の季語
古代中国では、鹿は神の乗り物といわれ、聖なるものと信じられてきました。さらに、鹿が「福禄寿(ふくろくじゅ。七福神のひとつ)」の「禄」と発音が同じであることから吉祥文様とされ、長寿のシンボルにもなっています。
日本でも鹿は延命長寿を表すといわれ、古くから絵画のモチーフなどに使われてきました。奈良の春日大社や広島の厳島(いつくしま)神社では神鹿(しんろく)と呼ばれ、神の使いとして崇められています。
鹿は単独で用いられるよりも、紅葉や秋草などの秋のモチーフとの組み合わせが主流です。古くは平安時代の小袖にも鹿と紅葉の文様が見られます。
「虎」百獣の王
虎 は百獣の王として昔から崇められてきました。そのため、勇敢さや王者の象徴とされ、東アジアの王族の祖先神話に度々登場すると言われています。
また、虎は野山を駆け回ることから山の神であったり、薬の元として重宝されたことから健康であったり、風を生み出す力を持つことから防災などにも縁起を持つとされています。
昔から虎は活力に満ち、勇気と果敢の象徴として、また魔除けのお守りとして、人々の暮らしの中で広く親しまれてきた動物だ。